送り出し
2021.09.24
選手をリングに送り出す時、その時が一番感慨深くなる。それは個々のそれまでのドラマを知っているからだと思う。だからこそその日までを一生懸命に生きてきた選手には全力で応えてあげたいと思う。
自身もプレイヤーであったが当初はリングインするまで腹が決まらずいつも恐怖心に近い感情に押しつぶされそうであった。そんな中でもいつも隣には仲間がおり師匠がいた。そしていつの頃からかその恐怖心が集中力に変わった。
選手と花道を一緒に歩くのは嫌いだ。だからいつもだいぶ後から入場するようにしている。選手が主役であり花道は選手一人のものでよい。
お客さんの視線を一身にあびる選手の後ろ姿は美しい。この数十メートルを歩いている間に何を思う・・・仲間はみんな知っている。