・・・かっこいい・・・
ほとんどの男性が追い求める永遠の浪漫ではないだろうか。
そもそも‘かっこいい‘とは何だろうか?
容姿の良さ、巧みな話術、腕っぷしの強さなど十人十色
年齢によっても‘かっこいい‘の定義は違うだろう。
子供の頃は明るく活動的なスポーツマンそして
異性を意識しはじめると髪型や服装に気を使い
有名人など自分の理想像を見つけそれに近づこうと努力する
肉体改造に目覚め体を鍛え出す者
タバコを吸ったりお酒を飲んだり不良マンガの主人公を真似て
少しやんちゃな事をしてみたり
それぞれがそれぞれの‘かっこいい‘を追い求め
涙ぐましい努力をするのだ。
(まあ未成年の喫煙飲酒は褒められたものではないが)
そして社会に出てさまざまな人と出会い
思いもよらない‘かっこいい‘を目の当たりにする
相手を押しのけ前に出るのではなくあえて一歩引いてみる謙虚さ
負けを潔く認め頭を下げる素直さ
外見や力強さなど‘かっこいい‘のほんの一部でしかないと
思い知りその奥深さに煩悶する。
たくさん失敗をして恥を晒し冷や汗をかきのたうち回りながら
生きてきた人が纏う‘かっこいい‘は誰も説明できないし真似できない
だからこそ永遠の浪漫であり人生は面白いのだと思う。
早朝、静まり返った境内で人の気配を感じ振り向くと
そこには少し背中を丸めすり足で歩く年輩の男性
軽く挨拶を交わしそれぞれのお墓へ向かう
そしてお参りを済ませた後その方はわざわざ私の所まで来て
深々と頭を下げられ静かに口を開いた
「お疲れ様でした・・・では失礼いたします」
・・・恐縮です・・・
穏やかな表情で境内を後にするその背中が
私にはとても大きく感じられた・・・。 長谷部