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盲亀の浮木 旱魃篇

2020.03.23

良い行いをすれば良い事が起こり
悪い行いをすれば悪い事が起こる・・・
こんな単純な流れで世の中動いていないのは周知の事実
だから理不尽な出来事に遭遇した時
運命という言葉を使いグッと堪え奥歯を噛み締める
その先どうするかは当人次第・・・

「今日で終わり全員解雇!」
数年前、仕事終わりに集められた全員にそう告げられる
まさに青天の霹靂
しかし不思議と動揺はなく
むしろ胸のつかえが取れた様な気分だった。
毎日仕事の計画に合わせ人員配置を考える
その人の能力、組ませる人との相性を考慮した上で決定する。
それでも何かしらのトラブルは起こる
機械的トラブルならばまだいい
これが人のトラブルになると少し厄介になる
自分の主義主張を繰り返すばかりで人と合わせようとしない者
会社の為を思って・・と言いながら自分のわがままを通そうとする者
自ら動こうとは決してしないが、あらゆる物事に対して
必ず否定的な事を言う者
・・・神経をすり減らす・・・
元々人の上に立つ器ではないと自覚していたのだが
引き受けた以上責務を果たさなければならない
奮起して頑張るのだが・・・日に日に疲弊していく
そろそろ引き際を考えなければいけないと思いつつも
なかなか決断できずにいた。
そんな中での解雇通告
まるでうじうじしている自分の背中に蹴りを入れられた様な感覚だった。

「さて、明日からどうしようか・・・」
不安はあるが焦りはない
もちろん年齢的に再就職が簡単ではないのは容易に想像できる
運良く就職出来たとしても収入は激減するだろう
そんな暗澹たる思いを楽観的な自我が押しのける
じたばたしても始まらない賽は投げられたのだ
まずすべき事をする、後はなるようにしかならないだろ

・・・まったくだ・・・

職業安定所へ通う日々が始まる。
ファイルされた資料を一枚ずつ読み漁っていた昔と違い
今ではパソコンにこちらの希望を入力すれば
それに該当する求人情報を閲覧できる
資格なし秀でた能力なし
こんなオジさんを受け入れてくれる企業が果たしてあるのか?
こちらに特別な希望はない、まあ市内で働くことが出来れば
それでいいのだが・・・
三桁だった該当企業数が年齢を入力したとたん一桁になる
思わず吹き出しそうになるのを必死で堪えた
「そうだよね~そうなるよね~」
(・・・笑い事ではないのだが・・・)
数少ない選択肢、だがボーナス同様あるだけましである

スーツ姿になるのは何年ぶりだろうか
辛うじてネクタイの締め方は覚えていたがこれは苦手だ
若干の息苦しさを感じながら
とある工場の面接に向かう
渋い表情で履歴書を見つめる経営者
面接中経営者の表情が和らぐことはなかった
そして後日、断りの電話が入る
厳しい現実をまざまざと思い知らされる
無理からぬことだ
即戦力でもない限りこんなオジさんを雇うメリットはどこにもない
逆の立場ならば同じ判断をしたことでしょう
こんな事は想定内
着地点が何処になるかは知る由もないが
往生際悪く右往左往してやろうじゃないか

そんな中、自宅に一本の電話が入る
前職の元経営者からだった・・・接触篇につづく

長谷部
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