少子高齢化と言われ始めて久しい
テレビ、ラジオのニュースでこの言葉を聞かない日はないでしょう。
普段,,学校帰りの子供達や公園で遊ぶ姿を目にしていると
本当に少子化なの？と思ったりしますが
学年ひとクラスの人数やクラスの数が昔と比べてかなり少なくなっているようです。

一方、高齢化に関しては職場を見渡すと如実に窺い知ることができます。
早朝リフトが走り回る現場を縫うように杖をついたおじいちゃんや
台車を引いたおばあちゃんが右にフラリ左にフラリと荷物を仕入れている
すばらしい園地を持っているにもかかわらず
後継者がいないため縮小、廃業せざるを得ない農家さんもいます。

若い人達もいない訳ではないのですが圧倒的に力を持っているのは高齢者層
長年この仕事に従事してきた猛者たちだ
さまざまな経験によって培われた知識や勘の良さに長けている
お天道様によって状況が目まぐるしく変わるため
マニュアルというものが存在しないし,おまけに少々荒っぽい
早朝からの仕事ということもあって若い人達には敬遠されがちなのかもしれません。

ただ、それが問題だと一概には言い切れない
この猛者たち文字通りまあ元気なこと元気なこと
活力に満ち溢れていてこちらが圧倒されます
先日も猛者の一人に絡まれ？ました
「お前まだ若いんだから酒ばっか飲んでないで彼女つくれ！」
「・・は？・・いやもういい歳だし」
「馬鹿野郎！俺は70超えても現役だぞ
こないだも彼女と朝までだ！」（知らねえよ）
「俺はメールとかはすぐに削除して足が付くものは一切残さない」
「嫁さんにバレたら殺されちゃうから・・」（ここだけ小声）
「このスリルが燃えるんだ刺激が無かったら人生楽しくねえだろ！」
「いつでも教えてやるからな」（やかましいわ）
多方面からお叱りを受けるであろう倫理観の欠片もない話で
大いに盛り上がるのでした・・・。

話の内容はともかく目を輝かせながら熱心に語る姿は本当に少年の様で
間違いなく私よりも生き生きとしています。

とはいえ年齢による体の劣化はいかんともしがたく
痛風のため足を引きずりながら歩く後ろ姿には哀愁が漂っている
毎年、健康診断で再検査になった猛者たちが集まる病院の待合室では
借りてきた猫の様に誰ひとり喋らないお茶目な？一面も垣間見えるそうです。

すべてが洗練されていてスマートに賢く生きることが良いとされる今の流れに
こんな泥臭い生き方など時代錯誤も甚だしいでしょう
もちろん、おすすめする気などさらさらありませんが
生きている実感というものをより強く感じられるのは
はたしてどちらだろう？と
ふと考えたりするのです。
長谷部